カモシカになったおばあちゃん

カモシカになったおばあちゃん(・・?
電車が鉄橋を渡る音が聞こえると
おばあちゃんは、庭から続く階段の上に立ち
到着すると「よくきたねぇ」とにっこり笑い迎えてくれました。
ある年、その場所に1頭のカモシカがずっと立っていました。
風のように静かで、大地のように温かな雰囲気で
伝わってくる感覚が、おばあちゃんそのもので
「えっ!?えっつ=======?」
私は思わず声にしました。
「・・・・・おばあちゃん?」
カモシカがしばらくして立ち去ると
その方向から、なぜかおばあちゃんが登場しましたが
「カモシカは見かけていない」との言葉に、困惑したことを覚えています(笑)
あとでその時のカモシカに心をそっと澄ますと、カモシカは言いました。
「ここは僕のお気に入りの場所だよ。
でも君の中には、あの人と同じ風があるから入っていいよ。」
ん~どっちが主か分からないなぁ~(;^ω^)
おばあちゃんの家は、草も木も動物たちも
そのままの姿で、いのちを重ねる場所でした。
父に手を引かれて、家族で歩いた夜道
多すぎる星を見上げては「吸い込まれちゃいそうで怖いよぉ~・」とつぶやき
ほのかに光る蛍たちを追いかけ
日差しが強い日は、川からサルたちの笑い声が聞こえました。
それは全部、いまも心のなかで
優しい灯りのように、私を照らしてくれています。
もう、おばあちゃんもお父さんもお母さんも
星の上のお星さまになったけれど
あのときのまなざしも、ぬくもりも
ここまでの大切なみちしるべだったんだなと
ありがとういっぱいのわたしです。
心を込めて 💗
lumie're(リュミエール)

